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Stress Management 年上部下たちのいざこざ…年下上司が見つけた「葛藤の正体」

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職場における中年同士の衝突——これは、彼らより年下の私(ミレニアル世代・氷河期世代)が管理職として直面した大きな課題のひとつです。年齢を重ね、キャリアの終盤に差し掛かる中年世代は、社内での立ち位置や仕事観に複雑な感情を抱えていることが多く、そこに「デジタル化」「ジェンダー意識の変化」「世代間の価値観のズレ」が絡むことで、職場の人間関係に摩擦が生じやすくなります。

特に、アラフィフ同士の対立には、単なる性格の不一致や価値観の違いでは説明しきれない「世代特有の心理的背景」があります。これを紐解くことで、解決の糸口が見えてきました。

中年世代が抱える「二重の自虐」と「誇り」


まず、アラフィフ部下の多くが共通して抱くのが「二重の自虐意識」です。

1つ目は、「社内や社会で重要視されていない」という感覚。

かつては組織の中核として活躍し、バブルの華やかさを謳歌したりしたものの、近年では「役職定年」「若手優遇」「DX推進」などの流れの中で、これまでのやり方が通用しにくくなり、「自分たちはもう主役ではない」と感じる場面が増えています。この感覚が「もう俺たちはお役御免だよ」「今の時代にはついていけない」といった自虐的な発言に繋がることもあります。

2つ目は、「デジタル世代に適応しきれない」自覚。

50代の多くは、社会人になった時点でデジタル環境が整っていなかった世代です。ある程度のITスキルは身につけたものの、最新のツールやシステムの習得にはハードルを感じ、「若手には勝てない」と無意識に線引きをしてしまうことがあります。「俺はもうアナログ人間だから」「こういうのは若い人が得意だよね」といった発言は、半ば諦めと自己防衛の表れでもあります。

一方で、彼らが「自分はもうダメだ」と思っているかというと、決してそうではありません。むしろ、長年の経験から培ったこだわりや思い出、仕事観に強い誇りを持っているのが中年世代の特徴です。

「何とかイズム」(例:職人魂、現場主義、昭和的な義理人情など)へのこだわり

「若手にはできない」「泥臭いのが本当の仕事のやり方」という自負

「昔はこうだった」「苦労から学ぶ」といった経験則への強い信頼

この「誇り」と「自虐」の間で揺れ動いているのが、アラフィフ部下たちの葛藤の大きなポイントなのです。

なぜ中年同士で衝突しやすいのか?

この世代は、若手に対しては比較的寛容な態度をとることが多いです。なぜなら、「デジタルネイティブで、自分たちとは違う世界を生きている。コンプラ的にも強く押し付けられなない」という割り切りがあるため、ある種の諦めが作用するからです。

しかし、相手が同じアラフィフ世代となると事情は変わります。

例えば、基幹システム(ERP)や業務効率化ツール(Excelマクロやデータ可視化など)を駆使して現場の業務改善に取り組んできた50代Aさんと、システムの概要や全体の流れは理解しているが、細かい設定や現場実践の経験は少ない50代Bさん。

Aさんは「実際に手を動かしてシステムを最適化し、効率化してきた」という自負があり、Bさんに対して「現場の苦労も知らずに机上の空論ばかり」と苛立ちを感じやすい。

一方、Bさんは「システム導入の大局を見てきた」という意識があり、Aさんに対して「細かい技術に固執しすぎて、戦略的な視点が足りない」と反発する。

どちらも50代であり、同じ企業文化の中で育ってきたのに、経験の解釈の違いが対立を生む典型的なケースです。

また、「自分より少しでも知識が不足している」相手には厳しくなりがちなのも、50代特有の傾向です。

例えば、ERPの知識がある50代が、少し知識が足りない同世代に対して「なぜこんなこともわからないんだ」と厳しく接する一方で、経験時間が足りていない者(若手)に対しては「まあ仕方ないか」と深入りしない。

これに加えて、「ジェンダー観の違い」も50代同士の対立を激化させる要因になっています。

「おじさん」と「おばさん」が相容れない理由

現在の50代は、社会の変化を最も強く受けてきた世代でもあります。特に、女性の社会進出が本格化し始めた時代にキャリアを積んできた人たちは、過去のジェンダー差別や職場環境の違いを肌で感じながら働いてきました。

50代男性は、「女性が管理職に就くことが当たり前になった時代」に適応しつつも、どこかで「自分たちが若手だった頃とだいぶ変わってしまった」という違和感を抱えている人も少なくありません。

50代女性は、「女性が管理職になれるように努力してきた世代」でありながらも過去に差別を経験してきた分、「男性に指図されるのはもうごめんだ」という思いを持っている人もいます。

こうした背景から、「おじさん」と「おばさん」の間には、お互いの経験の違いを理解し合えない溝が生じやすいのです。

ミレニアル世代の上司として見つけた解決のヒント

2. 「中間層」とシナジーを活かす

3. 「ジェンダー衝突」を二極化させず、個々の価値観をただの事実として扱う

50代の葛藤は決して「単なる世代の問題」ではなく、「誇り」と「自虐」のせめぎ合いの中で生まれるもの。だからこそ、これを理解することで、より良い関係構築が可能になります。

次回は、具体的な対処法を詳しく掘り下げていきます!