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Stress Management 年上部下たちのいざこざ…年下上司が見つけた「解決のヒント」

前回の記事では、年上の部下同士、特にアラフィフ世代が職場で衝突しやすい背景についてお話ししました。

今回は、それを解決するために彼らより年下の部下である私(ミレニアル・氷河期世代)が実際に試し、効果を感じた3つのアプローチを紹介します。

ポイント

1. 「経験・知見の違い」を認める環境作り

2. 「中間層」とのシナジーを活かす

3. 「ジェンダー衝突」は二極化させず、個々の違いをただの事実として扱う

1. 「経験・知見の違い」を認め合う環境作り


アラフィフ同士が衝突する要因の一つは、「自分の経験こそが正しい」という意識のぶつかり合いです。

システムや業務ツールの運用に長けた人が、「現場の本当の大変さを知らないとダメだ」と主張する一方で、全体の流れを把握している人は「細かい技術ばかりにこだわっても全体最適にならない」と反論する。

しかし、こうした対立の当事者同士を直接議論させても、歩み寄るどころか溝が深まることが多いのが実情です。

そこで私は、衝突する50代同士を直接関わらせるのではなく、それぞれの強みを理解できる年下とペアを組ませることで、自然とお互いの価値を認める環境を作ることにしました。

実践例

現場業務やテクノロジーに詳しい50代 × 若手(30代)

→ 分かり合える相手と気持ちよく知識や技術を追求させる
→ 若手は経験を吸収しながら、細かい技術やノウハウを学べる

全体の流れを把握する50代 × マネジメント志向の若手

→「教えたい」「教えられたい」欲を満たしながら、チーム運営力を伝授できる
→ 50代も、若手を通じて間接的に現場のリアルを理解できる

このペアリングを導入することで、50代同士が直接ぶつかる機会を減らしつつ、「自分の経験は意味がある」と実感できる場を確保することができました。

2. 「中間層」とのシナジーを活かす

デジタルスキルの違いも、50代の対立を生む要因になりがちです。

「細かい設定や運用ができる50代」vs.「デジタルの概要を理解しているが、細かい操作は苦手な50代」

「デジタルに苦手意識を持つ人」vs.「新しいツールを積極的に取り入れようとする人」

このギャップを埋めるのに有効なのが、デジタル適応「中間層」を活かすすることです。

実践例

40代・30代を「通訳者」として活用

→ 特定システムに精通した50代が具体的な運用方法を伝える際に、「少し若手や40代に噛み砕いて説明してもらう、間違えやすい事例をあげてもらう」ことで、50代同士の直接対立を防ぐ

社内に「デジタルアダプター役」を設ける

→ ITツールに精通している若手や40代を橋渡し役として任命し、50代の業務内容や悩みを気軽に相談できるサポート体制をつくる
→ 「知らないことを直接聞けない恥ずかしさ」や「後から指摘されてプライドを傷つけられること」を回避

「お互いに学び合う場」を作る

→ 「デジタルスキルを持つ人が教える場」と「業務経験を持つ人が教える場」をセットにし、中年同士が「教え合う関係」になるよう仕組み化

デジタルスキルの差を「対立」ではなく「補完関係」に変えることで、不要な摩擦を減らすことができます。

3. 「ジェンダー衝突」は二極化させず、個々の違いをただの事実として扱う

50代の対立には、ジェンダーによる価値観のズレも影響します。

特に、男性と女性のコミュニケーションスタイルの違いが摩擦を生むことが多いです。

典型的な例

50代男性:「女性の発言は感情的すぎる」
50代女性:「共通の話題がない男性はつまらなくて偉そうなだけ」

50代男性は、感情のフォローアップが苦手なことが多く、同世代の女性との心の通わせ方が分からず話し合いを避けがち。

一方、50代女性は同調意識や被害者意識が強めで、自分と共通点が少ない男性を遠ざける傾向があります。

この衝突を上司として解決しようとすると、「言い方を工夫してください」「相手の苦悩も尊重してください」といった指導になりがちですが、それは双方にとってストレスになるだけです。

実践例

違いを「ただの事実」として整理し、無理に歩み寄らせない

→ 「男性はこういう話題を避けがち」「女性は共感を重視したい」という現実を、お互いに客観的に認識してもらう
→ 「違いを受け入れること=相手を理解しなくてはならない」とは考えず、「そういう種族なのだ」と割り切る

男女ペアの組み方に工夫を入れる

→ 対立しやすい両極端キャラのペアではなく、互いにストレスの少ない価値観の近しい相手と組ませることで、摩擦を減らす

「共通の目的」にフォーカスさせる

→ 価値観の違いではなく、「このプロジェクトの成功」という共通のゴールに意識を向けさせる

ジェンダーに関する価値観の違いを議論させるのはハードルが高いですが、「無理に理解しようとせず、ただの事実として受け止める」ことで、衝突を回避することができます。また、相手の価値観を無理に変えさせることは無いため、心理的安全性が脅かされず、チーム全体の雰囲気も良好に保てます。

まとめ

中年世代の対立を解決するには、直接衝突させるのではなく、「間に若手を挟む」「適切なペアを組む」「違いを認識するだけ」といった間接的なアプローチが有効です。

今回の3つのポイント

1. 「経験・知見の違い」を認め合う環境作り → 若手とペアを組ませ、知識やスキルを気持ちよく発揮できる場を用意する

2. 「中間層」とのシナジーを活かす → 直接対立せず、橋渡し役を活用する

3. 「ジェンダーの衝突」は二極化させず、個々の違いをただの事実として扱う → 無理に理解しようとせず、割り切る

こうした仕組みを作ることで、アラフィフ、中年同士の摩擦を自然と和らげていくことができます。

職場の人間関係や世代間ギャップの解消には、日々の積み重ねが重要ですが、思い切ってワークショップや対話の場を設けることも効果的です。チームビルディングのアクティビティを取り入れたり、オフィスを離れてリラックスできる環境で話し合うことで、より深い理解と関係性の改善につながります。

私たちヘルスウェルネスコーチは、チームの課題や規模に合わせたプログラム設計や、オフサイト・リトリートの企画をお手伝いできます。実践的なファシリテーションを通じて、職場のコミュニケーションをスムーズにし、チームのパフォーマンス向上につなげます。

「もっと良いチームにしたいけれど、どうすればいいかわからない…」そんな悩みをお持ちのリーダーの皆さん、ぜひお気軽にご相談ください!